暁降ちのころ

暁降ち(あかつきくたち)と読みます。40歳から始めた日常の整理、備忘録などを思うままに好き勝手書いています。

Riding a Bicycle Again!

久々に書く、右鎖骨の状況。

3月30日(土)の診察で骨は再生できていると聞いて以降、可動域の回復とともに筋力の回復に着手した。まだまだ90度以上に肩は上げられないけど、それまでの範囲内で、ダンベルを持ったトレーニングも再開している。

レーニングのメニュー。たとえば、サイドレイズ。3キロのダンベルを両手に持ち、肩甲骨が動かない30度くらいの角度までで上げ下ろし。ネガティブ動作をゆっくりしながら、少しでも僧帽筋三角筋のサイドに入るように意識する。他にも5キロのダンベルでダンベルベンチプレス。ただし、これはネガティブ動作のときにストレッチし過ぎると右鎖骨付近に痛みが出るので、あまり深くは下ろさない程度の動作。だから見た目は初心者まるだしなダンベルベンチプレスで、どちらかというと大胸筋狙いではなく、三角筋のフロントのストレッチを狙う雰囲気なのかもしれない。

あとはやっぱりチューブトレーニング。前とか横とか後ろとか、あとは上方向に軽い負荷をかけながら、可動域の広がりと右肩付近のインナーマッスルを狙っている。

そのおかげなのか、最近は少し、ほんの少しだけ、プレートや骨折部の違和感が和らいできた。ふとした瞬間や、油断して想定外の動きになったときは相変わらずの痛みだけど、それ以外の場面ではかなりコントロールができるようになっている気がする。

実は先週、事故以来初めての自転車にも乗った。ママチャリではなく勿論ロードバイクの方。段差を通過するたびに右肩の体力ゲージが削られていってしまう状況ではあったけど、まだ「乗る」という感覚が残っていたことは、快復の状況を判断する安心材料となった。後日談として、それを聞いた妻からはこっぴどく叱られてしまったけど、できることがひとつずつ増えていく状況はやっぱり嬉しい。

次にチャレンジしようかなと思っているのはリュック。背負うことや下ろす動作をしたときの痛みがどの程度なのか。あとはプレートが入った鎖骨にどれくらいの重量をかけられるのかという点を確認したい。ただし、これは事故後の激痛を鮮明に記憶してるためか、実は相当に自分自身のなかで覚悟がいるところ。

いずれにせよ自転車がベースとなる俺の快復状況。夏に間に合うだろうか。頑張りましょう。

 

 

 

若造マネージャーから見た社内の雰囲気

我が社史上、最速かつ最年少でマネージャーになり、2週間が経った。仕事の方は思っていたより順調に推移している。というよりかは、普段からひとつ上の役職の仕事することを心がけてきたから、正直に言ってしまうと仕事内容は以前と同じ。むしろ、やってた仕事に権限が伴ってきて反対にやりやすかったりするから、20代、30代に仕事の貯金を作るというのは、こういうことなのかと実感している。

さて、2週間も経てばだいたいの社内の雰囲気は掴めてくる。今のところは次の2種類に分類できる。

①嫉妬の塊

これは主に俺より年上の社員たち。その気持ちは分からなくもない。後から入社してきた若造が、ごぼう抜きして上司になるんだから。なかには20年弱くらいの社歴を追い越した人もいるんだけど、俺も反対の立場だったら複雑な心境だと思う。

ただ自信もって言えるのは、俺はこの10年間、誰よりもたくさん仕事してきたし、誰よりも自己を犠牲にして会社に貢献してきた。だから結果だけ見てグダグダ言うなよって思うし、悔しかったらやってみろよというどちらかといえばポジティブな気持ちだから、実害が出ない限りは放置してる。俺自身も年長者に対する礼は欠いてないし、仮にもし向こうが失礼な態度をとってくるなら、職に基づき対処するだけかな。

②これまでにない期待感

これは俺と同年代か、もしくは部下や後輩社員たち。社内の給与制度が昨年度から刷新され、それまでの年齢序列が色濃かった制度から、ある程度は成果主義というものにシフトされた。良く言えば、俺はその第1号となった訳だ。年功と言う部分はまだ残るけど、それでも、結果を出せば上に上がれるという若手に対する強烈なメッセージになったんだと思ってる。ただし、これは諸刃の剣とも言え、今度は俺が彼らを評価しなければ、結局はその期待の分だけ落胆を与えてしまうとも言える…。

 

余談だけど、上司の顔色を窺われながら仕事されるのは嫌だから、メッセージとして仕事面でもパーソナリティでも俺の「好き嫌い」ははっきり出すようにしている。「好き」なのは綺麗なものや清潔なもの。「嫌い」なものはその反対。汚いものや不潔なもの。仕事の仕方、作成する書類、見た格好や考え方でも同じく。ただ、これをその言葉だけ捉えてしまうのもまた違っていて、スマートに仕事するためには、実は地道な準備をしなきゃならなくて、それには自分から気づいて欲しいだけど。

さて、来週くらいから期初での1on1を初めていこうかと思っている。直属の部下には上のことを直接伝えようかと思ってるけど、その後にどう変化するかが少し楽しみ。良い意味で化学変化しますように。。。

 

 

鑑了 Winny

2023年3月に公開された映画。監督は松本優作さん。出演は東出昌大さん、三浦貴大さん、吹越満さん、渡辺いっけいさん、吉岡秀隆さん他。42歳で亡くなったプログラマー金子勇さんが開発した『Winny』にまつわる実話が描かれた映画。今回もアマプラで鑑賞させていただいた。

winny-movie.com

以下、あらすじ。(参照 Filmarks

2002年、開発者・金子勇東出昌大)は、簡単にファイルを共有できる⾰新的なソフト「Winny」を開発、試用版を「2ちゃんねる」に公開をする。彗星のごとく現れた「Winny」は、本人同士が直接データのやりとりができるシステムで、瞬く間にシェアを伸ばしていく。しかし、その裏で大量の映画やゲーム、音楽などが違法アップロードされ、ダウンロードする若者も続出、次第に社会問題へ発展していく。次々に違法コピーした者たちが逮捕されていく中、開発者の金子も著作権法違反幇助の容疑をかけられ、2004 年に逮捕されてしまう。サイバー犯罪に詳しい弁護士・壇俊光三浦貴大)は、「開発者が逮捕されたら弁護します」と話していた矢先、開発者金子氏逮捕の報道を受けて、急遽弁護を引き受けることになり、弁護団を結成。金子と共に裁判で警察の逮捕の不当性を主張するも、第⼀審では有罪判決を下されてしまう…。しかし、運命の糸が交差し、世界をも揺るがす事件へと発展する――。なぜ、一人の天才開発者が日本の国家組織に潰されてしまったのか。本作は、開発者の未来と権利を守るために、権力やメディアと戦った男たちの真実を基にした物語である。

youtu.be

この作品は、先に書籍でも読んで知っていたが、その書籍もコメダ珈琲の2時間で一気読みできたくらいの圧巻のストーリー。願わくばこれがフィクションであって欲しいと読みながら感じたが、この映画についても同じく。金子さんを演じる東出昌大さんの演技が素晴らしいこともあるが、とにかく日本が置かれている今の現状を知るためには、一度は見ておいた方が良いと感じる作品。

ストーリーとしては、開発者の権利を守る弁護団vs警察・検察側の権力&メディアという構図ではあるが、個人的に、とにかく警察・検察側に対する胸クソの悪さが半端ない。特に京都府警。実際に金子さんが逮捕される2004年頃まで、よくテレビでやってる『警察24時』とかに当事者となる京都府警察ハイテク犯罪対策室ってのはよく出てきてた記憶はあるが、おそらくこの件で、その信頼が地に落ちたといっても過言じゃない。

アナログな警察が逮捕し、アナログな検察が罪を追求し、アナログな裁判官が罪を裁くという歯がゆさ。この冤罪事件がなければ、日本からGAFAが誕生していたかもしれないと思うと、まさに「失われた10年」といえる。今、あらためてこの事件に関わった人たちは、AppleGoogleという横文字企業が日本を席巻してる現状を見て、何を思っているんだろうか。そんな風に色々と考えさせられる内容。

ありがとうございました。

 

 

ゆっくりでもまっすぐ進む奴が強い

これは会社で昇任するときの話になるけど、会社員人生のなかで、どこかで自分自身の殻を破るタイミングだったり、誰かに引き上げてもらえるタイミングっていうものがあると思っている。俺は今考えてみると、ひとつ前の部署のときにそれがあった。

自分で自分自身の若手時代を振り返ってみると、俺はどちらかといえば「文句たれ」な社員。その理由が若気の至りなのか、体質が古いのか、はたまた両方なのかは分からないけど、会社と同じ方向は全然向いてなかったと思う。

ところがあるとき、部署でNo.2のポジションの人からの仕事を請け負うことがあった。内容は雑務といえるものだったと思う。他の社員はあまり良い顔せず、露骨にそれを敬遠する者もいるなかで、俺はその依頼を普通にこなした。特に顔にも出さず。そのことが良かったのか、それともまた別の部分を気に行ってもらえたのかは分からないけど、それからは俺の仕事ぶりを買ってもらえるようになり、だんだんと部署のなかでも立場があがっていった。そして、最終的には役職がついていない社員のなかの筆頭となり、そこからさらに評価してもらって今の部署に異動となった。

ちなみにそのNo.2の人は俺が異動する1年前に退職したんだけど、そのとき、最後の置き土産として二人きりのときにこんなことを言われた。

 

ゆっくりでも普通にまっすぐ前に進んでる奴が一番強い。

 

それから10年以上が経ち、今はその言葉の意味がすごく良く分かる。同期入社した社員は、ひとり、またひとりと退職してしまったり、様々な理由で主要なポジションから外れていってしまった。俺が入社した当時に上司だった社員も、経営層の意に沿わないことをして左遷されたり、セクハラやパワハラでアウトになったり、あとは役職の重圧に耐えられずメンタルダウンしてしまったり…。

ただし、まっすぐ進むのもかなり難しくて、そのときの世情や経営層の考え方、あとは自分自身の家庭状況とかの要素も影響するから、「まっすぐ」と表現してるけど実はそれも正確じゃない。もしかすると、その時々の真ん中を進めるよう調整していけるかどうか、という方がしっくりくるかもしれない。幸いにして、俺は今のところ順調にその船を渡っているらしい。そういう意味で『なるほど、まっすぐ進む奴が強いというのはこういうことか』と、今になって思っている。

だから、仕事や人間関係で悩んだり伸び悩んだりしてる部下や後輩には、俺もその言葉を最近受け売りのように使うようになった。次のアレンジを加えて。

 

ゆっくりでも真ん中を進め。
端にいるやつはそのうちに落ちていく。

 

どうか自分なりに噛みしめて欲しい。

仕事をすることの価値

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仕事以外に生きる価値って何があるの?

最近、お風呂の湯船に浸かりながら、そのじっとする時間をつぶすためにショート動画を見ている。TikTokであったり、Instagramのリールだったり。そこでマツコ・デラックスさんがとある番組で言ってた上記の内容を知った。それを踏まえてこの記事を書く。

俺は自分のことを仕事人間だと思う。仕事をしてるときと仕事をしていないときは別人のようだと言われる。悲しいかな仕事が趣味とも言える。『24時間はたらーけますか♪』というリゲインのCMを見て育った世代。おそらく今の価値観には合わないだろうし、若い社員は「あぁいう人にはなりたくない」って思ってるかもしれない。

実際のところは、俺だって仕事以外のことでキラキラしてる人を見たら、羨ましいって思う。人生楽しそうだなーとね。自分が若いときも、いかに仕事以外のことでやりがいを見つけるかということに必死だった気がする。

けど今になって、やたらとこの言葉に納得する自分がいる。仕事をして、認められて、それに対してお金という対価をもらい、自己肯定感を高める。だんだんと役割が代わり、責任が大きくなっていくにつれて、自分の価値の高まりも感じられる。ある意味でコスパ良いんじゃないかと。

そして、もし仕事という言葉を「対価としてお金を得る」行為と定義づけるならば、個人的には仕事以外で自己肯定感を高めることって凄く難しいと思う。少なくとも、今すぐに俺の頭のなかには出てこない。

『仕事は何のためにするのか』

新年度に入り、駅や街中で見かける新社会人たち。これから社会に揉まれるなかで、わりと最初らへんでぶつかる疑問なんじゃないかと思う。人には色んな考え方があるから「お金のため」「子供のころからの夢」「親の跡継ぎ」等々、様々で、それはそれで全部ある意味正解なんだろうけど、仕事を続けているうちに、いつかこの動画の内容が心に沁みるタイミングが来るんじゃないだろうか。あ、けどこんなこと書きながら、これもどっかのSNSで見て共感したコメントを思い出した。

続ける理由ってなんとなくでいいんだよ。
もしそこに理由があったら
その理由がいざなくなっちゃったときにしんどくなるから。

 

 

鑑了 レッド・ロケット

おそらくTikTokで誰かにおすすめされてた動画を見た後に、アマプラのウォッチリストに放り込んだままになっていた作品。内容が内容だけに、家族がいるリビングでの鑑賞はしずらく、タイミングを見計らいながらようやく鑑了。2021年の作品だけど、日本で公開されたのは2023年4月になってからだそう。監督はショーン・ベイカー。出演はサイモン・レックス、ブリー・エルロッド、スザンナ・サン他。ちなみに映画の長さは2時間10分ほど。

www.transformer.co.jp

以下、あらすじ。(参照 Filmarks

「ポルノ界のアカデミー賞を5回逃した」ポルノ俳優だったが、今は落ちぶれ無⼀⽂で故郷テキサスへ舞い戻ったマイキー。別居中の妻の家に転がり込むことに成功したが17年のブランクのおかげで仕事はない。昔のつてでマリファナを売りながら糊⼝を凌いでいたある⽇、ドーナツ店で働く少⼥と出会い再起を夢⾒るが…。

youtu.be

レッド・ロケットというのは「オス犬の大きくなった大事なところ」を意味するスラングだそう。なるほど、最後のサイモン・レックスが演じるマイキーの疾走シーンがそれを表現しているのか…。

メジャーな映画ではないと思うんだけど、なかなか面白かった。派手なシーン、豪華なシーンは皆無。だけどそれをカバーするくらいのマイキーの存在感。都落ちしてきた元ポルノ俳優。口だけで自己中心。高校生に手を出すダメ男。ストーリーはアメリカだけど、なんかこういう人ってどこにでもいそうだと思えてくる。

個人的に面白かったのは、ドーナツショップでアルバイトするスザンナ・サンが演じる高校生のストロベリーとマイキーとの掛け合い。だんだんとストロベリーの方がやり手に思えてくるところが妙に面白い。あとマイキーの自転車の乗り方が、実にアメリカらしい。

恋人と一緒に見るのではなく、この作品はぜひ男ひとりで見て欲しい映画。一見馬鹿バカしいけど、噛めば噛むほど面白くなる内容。

ありがとうございました。

 

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読了 クジラアタマの王様

著者 伊坂 幸太郎

記憶の片隅に残る、しかし、覚えていない「夢」。自分は何かと戦っている? ――製菓会社の広報部署で働く岸は、商品への異物混入問い合わせを先輩から引き継いだことを皮切りに様々なトラブルに見舞われる。悪意、非難、罵倒。感情をぶつけられ、疲れ果てる岸だったが、とある議員の登場で状況が変わる。そして、そこには思いもよらぬ「繋がり」があり……。伊坂マジック、鮮やかなる新境地。

 

~~~~~以下、感想。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

文庫化は2022年7月にされたそう。本屋で平積みされているのは知っていたが、伊坂作品以外についても守備範囲を広げていきたいという衝動から、約1年ほど手に取るのは我慢していた。それでも今年になり、次はどの小説を読もうかとブラブラしていると、やはり高確率で目に留めてしまう自分がいた。そのため、これはもう読むしかないよねとある意味で衝動買い。ちょうどこの前に読んでいたのが「サピエンス全史」という小難しいものだったため、より一層、伊坂作品の爽快感を感じながら読み進めることができた。

本作品のあらすじとなるが、「クジラアタマの王様」は、記憶の片隅に残るが覚えていない「夢」をテーマにした物語となる。主人公は岸という製菓会社の広報部署で働いているサラリーマンになるが、商品の異物混入問い合わせを引き継いだところから物語は始まる。対マスコミという構図は、もしかして伊坂さんは2024年の状況を見据えていたのかと感じるくらい、現在の週刊誌報道に辟易した現在にマッチしている。読みながら自然と岸を応援している自分がいるし、形勢が一気に逆転する場面は気分がスカッとする。ちなみにこれは作品の前半。第1章のことを書いてます。とにかく、もうこの時点で一気に作品のなかに引き込まれてしまっています。

その後は、池ノ内議員の登場で展開が変わり、小沢ヒジリというダンサーとの出会いを通じて、現実世界と夢の世界が交じり合いながらストーリーが進んでいく。。。

やはり伊坂作品おそるべし。面白くて読みやすく、サクッと読めてしまうほどの魅力がある。ストーリーのテンポの良さや、登場人物のユーモア、夢の中の不思議さなど、多くの要素が絶妙に組み合わさっている。特に間で挿絵が多く使われているが、これは夢の中の出来事をセリフなしの漫画で描いているそうで、作品全体を引き立て役になっている気がした。

最後に、読んでいて気に入った池ノ内議員のセリフをリマインド。
「仕事ができる人に仕事が集まるのは、残念ながら当然のことなんですよね。仕事ができない人の仕事は減ります。どちらも同じ報酬がもらえるとすれば、これは問題です。」

ありがとうございました。