暁降ちのころ

暁降ち(あかつきくたち)と読みます。40歳から始めた日常の整理、備忘録などを思うままに好き勝手書いています。

鑑了 耳をすませば

こちらは実写映画の方。2022年10月公開作品。監督は平川雄一朗さん。主演は清野菜名さんと松坂桃李さん。昔のジブリ作品が好きなもので、原作の方はもう何度みたことか。公開期間中に映画館に行けるほどの時間と余裕がなく、それでもいつか見たいと思っていた本作。今回、アマプラで見つけて速攻でウォッチリストに登録し、休日の土曜の午後に鑑賞した。

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以下、あらすじ。(参照 Filmarks

読書が⼤好きで元気いっぱいな中学⽣の⼥の⼦・⽉島雫。彼⼥は図書貸出カードでよく⾒かける、ある名前が頭から離れなかった。天沢聖司―――全部私よりも先に読んでる―――どんなひとなんだろう。あるきっかけで“最悪の出会い”を果たした⼆⼈だが、聖司に⼤きな夢があることを知り、次第に惹かれていく雫。聖司に背中を押され、雫も⾃分の夢を胸に抱くようになったが、ある⽇聖司から夢を叶えるためイタリアに渡ると打ち明けられ、離れ離れになってもそれぞれの夢を追いかけ、10年後また必ず会おうと誓い合う。それから10年の時が流れた、1999年。雫は、児童書の編集者として出版社で働く傍ら夢を追い続けていたが、思うようにいかずもがいていた。もう駄⽬なのかも知れない―――そんな気持ちが⼤きくなる度に、遠く離れたイタリアで奮闘する聖司を想い、⾃分を奮い⽴たせていた。⼀⽅の聖司も順⾵満帆ではなかった。⼾惑い、もどかしい⽇々を送っていたが、そんな時の⽀えは聖司にとっても同じく雫であった。そんなある⽇、雫は仕事で⼤きなミスをしてしまい、仕事か夢のどちらを取るか選択を迫られる。答えを⾒つけに向かった先は―――。

youtu.be

ジブリが好きというバイアス全開だけど、今年見たなかの映画で一番良かった。アニメ映画が再現されたシーンに加え、10年後のオリジナルストーリーの二重構成がまた良い。上映時間の115分があっという間。まだまだ終わって欲しくないというストーリー展開で、見終わってから間髪入れずにもう一度見たくなった。

しかし中学を卒業してから10年も一途に遠距離恋愛できるものかね?いや、雫と聖司だったら全然ありえるか。そしてそう思わせてしまう演技をする清野菜名さんと松坂桃李さん、とにかく素晴らしい。そんなに長い期間遠距離恋愛することも、15歳で夢を見つけて突き進むことも、自分には絶対できなかったことだけど、それを映画という世界に投影させて見れば「もしかしたら?」と思わせてくれて、だからいつ見ても心を揺さぶられる。

仕事の休暇を取り、聖司に会いにイタリアへ行った雫が、日本に戻ってから親友に「別れてきた」と言って部屋で号泣するシーン。知らぬ間に溜まっている俺自身の仕事のストレスとか、「自分の夢って何だったろう?」という感傷的な思いとか、今まさに恋愛で一喜一憂できる若い子たちへのジェラシーとか、色んなものが噴き出して何故か分からないけど俺も号泣してしまった。

劇中歌が「カントリーロード」じゃなく「翼をください」だったのは最初残念に思えたけど、今思えば全然良い。逆にこの作品はこっちの方が良いかも。イタリアの聖司の部屋でチェロに合わせて雫が「翼をください」を唄うシーンなんて、何回リピートして観なおしてもおなかいっぱいにならない気がする。

色んなレビューサイトを見ていると、やっぱりコアなファンからは賛否両論あるみたいだけど、俺は素直に楽しんで観れたかなと思う。

ありがとうございました。