少し前に、転勤命令を出す心苦しさを吐露した件。結論から言うと、今回は事情により不成立となってしまった。つまり結果的に言うと、部下に対してチャンスを与えることができなかったという事態になる。
内情はこんなところだ。
外に出す社員を決める一方で、もちろんその分を外から補充しなければならない。ただしその補充を決めるに当たってはこちらの裁量がない。上層の部署、そして相手の組織での調整になる。簡単に言えば、こちらからは大まかな人物像だけを伝えて、出す社員の後任を探してもらうという感じ。つまり、先日こちらの施設から中堅社員を出すと決めて以降、様々な調整が諮られた訳だ。
しかしことごとく話が成立することはなく、本日、正式にその話の幕が閉じてしまった。一方通行(補充なし)で転勤OKを出した別の組織の社員に割り当てることが決まったそうだ。
こちらとしては腹を決めて決断したし、最終的な調整をするにあたっての裁量は無いので、どうすることも出来ないといえばそうなのだが、心情的には"かっさらわれた"ような気がしている。自分自身も同じようなことを何度も経験しているだけに、悔しさ半分、安堵感半分、とても複雑な気持ち。
要するに、身動きが取りやすい方が有利なのだ。仕事をたくさんこなし、経験値を高めていく一方、少しでも業務が属人化すると、途端に動きづらく(動かしづらく)なる。つまり、考えようによっては、あまり仕事をしてない者の方が、どんどん色んなポジションを渡っていき、どんどん昇進していく。
原理原則でいえば「●●さんしか出来ない仕事」なんて無いにこしたことはないし、10の仕事を5とか6に圧縮して身動きを軽くできる人が『仕事ができる』と判断するのは当たり前のことではあるが、みんながみんな同じようにいくのか?場合によっては適当に部下とか後輩に仕事を振って手柄だけ横取りしている奴が得することにならないか?
しかし、ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用の考え方が、なんかごちゃ混ぜになってないだろうか。そんなモヤモヤした感情が俺のなかで生まれてしまった出来事。こういうのを見ていると、俺が動くときは相当な労力がいりそうな気配…。