- (監督) 𠮷田恵輔さん
- (出演) あべこうじさん、鈴木美生さん、坂本爽さん、清浦夏実さん、踊り子ありさん、峯山健治さん、野木太郎さん
- (製作) 2006年
- (上映時間) 104分
以下、あらすじ。(参照 Filmarks)
爽やかなのに残酷、抱腹絶倒なのに号泣、一途なのに下心たっぷり・・・予測不能な、この素晴らしくない世界。 大学受験を控える女子高生の望(鈴木美生)の元に家庭教師としてやってきたフリーター、馬場(あべこうじ)。同棲している彼女がいながら、また望の父親からくれぐれも間違いを犯さないようにと念を押されながらも、望の汚れのない可憐さにすっかり魅了された馬場は、何かと彼女にちょっかいを出す。一方の望は、馬場のアタックをうまくかわしながら猛勉強を続ける毎日。そんな彼女の第一志望は、現在の学力では到底受かりそうもない向陽大。望には、周囲から反対されながらも、この学校に絶対入学しなければならない秘密があったのだ。そんなことには全く気づかない馬場の片想いは次第にエスカレート、ついに決定的な大事件が勃発する!
𠮷田恵輔監督の記念すべき長編商業映画デビュー作であり、人間の心の奥底に潜むドロドロとした欲望や身勝手さを容赦なく暴き出した『机のなかみ』。前半と後半で視点をガラリと変えることで、同じ出来事の表と裏を鮮やかに(そして極めて悪趣味に)描き出した一作でした。
【俺の評価】⭐⭐(星2つ)
本作は、前半を冴えない童貞の家庭教師(蜂谷さん)の目線から、後半をその教え子である女子生徒(望月さん)の目線から描き、最終的にそれぞれの「視点のズレ」や「隠された真実」という伏線が繋がっていく見事な2部構成のストーリーになっています。構成自体は非常に緻密で映画としての完成度は高いのですが、問題はそこに登場する男たちのキャラクター性です。
前半の主役である家庭教師は、純愛を拗らせているようでいてその実、妄想と身勝手な欲望の塊。そして後半でその本性が剥き出しになる女子生徒の父親(菅原さん)に至っては、生理的な嫌悪感を抱かざるを得ないレベルに達しています。おっしゃる通り、どちらも見事なくらいに「キモい」の一言に尽き、彼らのあまりの生々しいキモさに、観ていて終始居心地の悪さや辟易とした感情を抱いてしまったのも無理はありません。
この「人間のどうしようもない醜さや滑稽さ」を笑いに昇華しつつも、観客の心にザラついた不快感をしっかり残していくスタイルは、まさに𠮷田恵輔監督のお家芸であり、このデビュー作の時点でその歪んだ人間賛歌の作家性が完全に確立されていることがよく分かります。
Amazonプライムのライブラリの中でも、構成の巧みさには感心しつつも、キャラクターたちの強烈なキモさに胃もたれしてしまうような、良くも悪くも𠮷田恵輔監督らしいビターで毒っ気の強い、星2つという評価に落ち着く一作でした。
ありがとうございました。
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