暁降ちのころ

暁降ち(あかつきくたち)と読みます。40歳から始めた日常の整理、備忘録などを思うままに好き勝手書いています。

鑑了 Winny

2023年3月に公開された映画。監督は松本優作さん。出演は東出昌大さん、三浦貴大さん、吹越満さん、渡辺いっけいさん、吉岡秀隆さん他。42歳で亡くなったプログラマー金子勇さんが開発した『Winny』にまつわる実話が描かれた映画。今回もアマプラで鑑賞させていただいた。

winny-movie.com

以下、あらすじ。(参照 Filmarks

2002年、開発者・金子勇東出昌大)は、簡単にファイルを共有できる⾰新的なソフト「Winny」を開発、試用版を「2ちゃんねる」に公開をする。彗星のごとく現れた「Winny」は、本人同士が直接データのやりとりができるシステムで、瞬く間にシェアを伸ばしていく。しかし、その裏で大量の映画やゲーム、音楽などが違法アップロードされ、ダウンロードする若者も続出、次第に社会問題へ発展していく。次々に違法コピーした者たちが逮捕されていく中、開発者の金子も著作権法違反幇助の容疑をかけられ、2004 年に逮捕されてしまう。サイバー犯罪に詳しい弁護士・壇俊光三浦貴大)は、「開発者が逮捕されたら弁護します」と話していた矢先、開発者金子氏逮捕の報道を受けて、急遽弁護を引き受けることになり、弁護団を結成。金子と共に裁判で警察の逮捕の不当性を主張するも、第⼀審では有罪判決を下されてしまう…。しかし、運命の糸が交差し、世界をも揺るがす事件へと発展する――。なぜ、一人の天才開発者が日本の国家組織に潰されてしまったのか。本作は、開発者の未来と権利を守るために、権力やメディアと戦った男たちの真実を基にした物語である。

youtu.be

この作品は、先に書籍でも読んで知っていたが、その書籍もコメダ珈琲の2時間で一気読みできたくらいの圧巻のストーリー。願わくばこれがフィクションであって欲しいと読みながら感じたが、この映画についても同じく。金子さんを演じる東出昌大さんの演技が素晴らしいこともあるが、とにかく日本が置かれている今の現状を知るためには、一度は見ておいた方が良いと感じる作品。

ストーリーとしては、開発者の権利を守る弁護団vs警察・検察側の権力&メディアという構図ではあるが、個人的に、とにかく警察・検察側に対する胸クソの悪さが半端ない。特に京都府警。実際に金子さんが逮捕される2004年頃まで、よくテレビでやってる『警察24時』とかに当事者となる京都府警察ハイテク犯罪対策室ってのはよく出てきてた記憶はあるが、おそらくこの件で、その信頼が地に落ちたといっても過言じゃない。

アナログな警察が逮捕し、アナログな検察が罪を追求し、アナログな裁判官が罪を裁くという歯がゆさ。この冤罪事件がなければ、日本からGAFAが誕生していたかもしれないと思うと、まさに「失われた10年」といえる。今、あらためてこの事件に関わった人たちは、AppleGoogleという横文字企業が日本を席巻してる現状を見て、何を思っているんだろうか。そんな風に色々と考えさせられる内容。

ありがとうございました。