暁降ちのころ

暁降ち(あかつきくたち)と読みます。40歳から始めた日常の整理、備忘録などを思うままに好き勝手書いています。

鑑了 糸

2020年8月に公開された中島みゆきさんの曲「糸」を原案としている映画。監督は瀬々敬久さん、主演は菅田将暉さんと小松菜奈さん。この映画がきっかけで、菅田さんと小松さんが交際を始めたということを知ってから、ずっと気になっていました。アマプラのウォッチリストには少し前から登録していたんですが、中途半端に観たくないと思い、集中して鑑賞できるタイミングを見計らい、先週末にようやく鑑了となりました。

以下、あらすじ。(参照 Filmarks

平成元年生まれの高橋漣と園田葵。北海道で育った二人は13歳の時に出会い、初めての恋をする。そんなある日、葵が突然姿を消した。養父からの虐待に耐えかねて、町から逃げ出したのだった。真相を知った漣は、必死の思いで葵を探し出し、駆け落ちを決行する。しかし幼い二人の逃避行は行く当てもなく、すぐに警察に保護されてしまう。その後、葵は、母親に連れられて北海道から移ることになった。漣は葵を見送ることすらできないまま、二人は遠く引き離された…。それから8年後。地元のチーズ工房で働いていた漣は、友人の結婚式に訪れた東京で、葵との再会を果たす。北海道で生きていくことを決意した漣と、世界中を飛び回って自分を試したい葵。もうすでに二人は、それぞれ別の人生を歩み始めていたのだった。そして10年後、平成最後の年となる2019年。運命は、もう一度だけ、二人をめぐり逢わせようとしていた…。

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アラフォーにもなり、涙腺が緩みに緩んでいることは確かですが、自然と目頭が熱くなるシーンばかりでした。レビューでは「泣かせにこようとする製作者の打算性が見える」というコメントもあったのですが、個人的には全然そんなこと気になりませんでした。むしろ、大人になった漣を演じる菅田さん、葵を演じる小松さんそれぞれの、どこか寂しく、心のモヤモヤを言葉にするでもなく心の中に閉まったような表情が、見ているこちらにとっては凄く切なく、要所で流れてくる中島みゆきさんの歌が刺さりまくる。特に食事のシーンが印象的で、中学生時代に葵が作ったお弁当を漣が食べるシーンから始まり、シンガポールで共同経営者に裏切られた葵が「大丈夫」「大丈夫」と泣きながらカツ丼を食べるシーン。北海道に戻ってきて、子ども食堂でご飯をひと口食べて号泣するシーン。特に後ろ二つのシーンは、気づいたら俺も泣いていたという状態でした。

初恋の二人の出会い。近づいたと思ったら離れ、また近づいたと思ったら離れていき、別々のところで歩みを進め、最後にまた出会う。「出逢うべき人とは、出逢うべきときに、出逢う」という主題がまさに映画のストーリーそのもの。あとは、各シーンで縦の糸と横の糸が表現されているのも良かったです。

なんだか自分自身がこれまで出会った人たちに思いを巡らせる気持ちになれる作品。感動しました。そして菅田将暉さんと小松菜奈さんがますます好きになりました。

ありがとうございました。