暁降ちのころ

暁降ち(あかつきくたち)と読みます。40歳から始めた日常の整理、備忘録などを思うままに好き勝手書いています。

受験を無事終えた週末

先週の金曜日のこと。長女の高校受験の結果発表日だった。俺が高校受験をした25年ほど前であれば、受験した高校まで受験票を片手に見に行ったものだが、今や時代はデジタル社会。あらかじめ指定されたホームページにアクセスし、受験番号を入力して結果を検索する仕組みだという。

当日、発表の時間は14時だということを聞いていたが、俺自身は午後にコーヒーを美味しく淹れられたことに気を良くし、すっかり仕事に没頭してしまっていた。そして14時を20分ほど回ったとき。ちょうど部下から仕事の相談を受けているタイミングで、ポケットの中のスマホが震えた。それがメールではなく電話であることは、バイブレーターの長さ、そしてスマートウォッチの盤面ですぐに分かった。

それまでは結果発表日だということを完全に失念していた俺だったが、電話がかかってきたことで、まるで空のホースに水が入っていくかのごとく脳のなかの神経伝達回路がつながり、自分自身も経験したあのドキドキを思い出した。実際、俺が受けた高校は定員割れだったんだけど「絶対に大丈夫だろう」という思いのなかにある「もしかしたら…」という不安のかたまり。

恐る恐る電話に出る。「もしもし。どうやったん?」
「……グス…泣」

お、これはどっちの反応なんだろうか。一瞬で両方の答え。そして両方の今後のライフプランが頭によぎる。

「……泣…ご、ごうがぐしでたよ。じ、じぶんでも、いいなさい」

あとから聞くと娘の方が号泣して喋れなかったそうだが、電話の主は嫁さんだった。とはいえ聞いた結果は「合格」。第一志望だった高校に、無事「合格」できたのだ。思わず俺も声のトーンが上がる。「おめでとう」「良かったなぁ」「頑張ったな」「おつかれさま」本当ももう少し洒落た言葉でもかけてあがったけど、残念ながらその場では全然出てこなかった。こういうときに語彙力の無さが出る…。

子供の受験は親の戦いだとも言われるそうだが、この数年、まさにそれを感じた時間だった。教育費の捻出という経済的な戦い。模試や校内試験の結果に一喜一憂させられるメンタルの戦い。塾の送迎や家族の体調管理という体力的な戦い。もちろん長女で今回我々も初めての経験だったということもある。しかしまだ下に3回控えているということを考えると、セミリタイアなんて夢のまた夢。まだまだファイティングポーズを維持しなければならない。

さー、また今日から月曜日。少しだけ肩の荷が下りた週末を過ごせた分、目の前のタスクをバッタバタ倒してやる。頑張っていきましょう。