暁降ちのころ

暁降ち(あかつきくたち)と読みます。40歳から始めた日常の整理、備忘録などを思うままに好き勝手書いています。

鑑了 モアザンワーズ

普段、地上波の連続ドラマはほぼ見ることがない生活を送っているんですが、アマプラを検索していたところ、1話あたり40分弱という通勤時間にジャストな時間設定だったため、こつこつとスマホで鑑賞させていただきました。

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全部で10話のドラマですが、後半の言い表し用のない切なさ加減が胸を締め付けられる感じでした。俺の人生のなかでこれまでノータッチだったトランスジェンダーのお話であったのも、この作品に興味をもった理由のひとつです。

以下、あらすじ。(参照 ORICON NEWS

同じ高校に通う、親友だった美枝子(藤野涼子)と槙雄(青木柚)。一緒に始めたバイト先で大学生・永慈(中川大輔)と出会い、3人はつるむようになる。ある日、永慈が槙雄のことが好きだと言い出し、2人は結ばれることに。しかし周囲が交際に反対。槙雄と永慈を引き裂こうとするなか、美枝子は2人のために彼らの子どもを産むことを決意。3人の特別な関係は徐々に変化していく。そんな時、槙雄は幼なじみの朝人(兼近大樹)と偶然再会し…。4人それぞれの友情がやがて愛情へと変わる日々を切なく、繊細に紡いでいく。

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俺は映画にしてもドラマにしても、設定がなかなか頭に入ってきません。そのため見てる途中はところどころで「?」という部分が出てきてしまうのですが、この作品はまず3人の年齢設定を失念していました。後半に、出会ったのが美枝子と槙雄が高校1年生のとき。そして永慈が6歳年上だというのを、槙雄と朝人の会話から思い出すのですが、なぜかそれまでは永慈が3~4歳上の兄貴的存在なのかと思ってしまっていました。

「なるほど6歳も上だったのか」「それならその落ち着き加減や立ち居振る舞いの余裕振りも分かる」と腹落ちする反面、「けど、それならその判断ってどうなんだろう?」と若干引っ掛かる。永慈に対しては全体としてそんな印象を持ちました。

美枝子については、最初はどこか大人びて斜に構えた感じなんですが、途中から友人の影響で凄く可愛くなっていきます。まさに女子高生という雰囲気。ただしやっぱりどこかで暗い部分があるんですが、またまた母親になるとともにそれも無くなるという、女性特有の魅力というのか、藤野涼子さんの演技力というのか…。しかし父親と槙雄の存在を重ねて号泣するシーンは、こちらも感情移入してしまいました。

最後に槙雄。この超天然人たらし男。その槙雄が廃れていくシーンは見ていてとても辛い部分がありました。けど、そんな槙雄がもう一度、美枝子と永慈に再開するシーン。そしてそのあとに流れる3人で楽しく過ごしていた時期の回想シーン。涙が溢れるとかそんな簡単な表現でくくれないくらい、切なかったです。

作品そのものについては、映像の撮り方や独特なセリフ。あと舞台が京都だということもあって、その世界観にハマるまで俺はあっという間でした。主題歌についても、STUTS、Awitch、iri、宗藤竜太、くるり、どれもこの世界観にマッチしていて、見終わったあとの余韻までもが良かったです。

余談ですが、藤野涼子さん、青木柚さん、中川大輔さん。皆さん出身は東京や神奈川と関東地方なんですね。関西以外の俳優さんが喋る関西弁を我々生粋の関西人が聞くと、だいたいの場合は違和感が半端ないんですが、全然違和感がなかった気がします。独特なイントネーションの京都弁という設定で見ていたからでしょうか?

ありがとうございました。