暁降ちのころ

暁降ち(あかつきくたち)と読みます。40歳から始めた日常の整理、備忘録などを思うままに好き勝手書いています。

鑑了 ブレット・トレイン

実はこの映画は劇場に見に行こうかどうか、迷っていた映画でした。理由は伊坂幸太郎さんのファンだからというもの一択。小説を先に読んだ作品は、頭のなかで自分なりに描いたイメージをできるだけ壊したくないからというマイルールに従い、極力以降に公開される映画は見ないという縛りを作っているんですが、実はこの映画のもとになっている「マリアビートル」という作品は、読んだことがありませんでした。ですので、それなら先に映像として頭に入れてもいいかなと…。アマプラで見たい作品を探していると、出てきましたので早速ウォッチリストに登録し、週末に鑑賞させていただきました。

2022年公開のハリウッド映画。監督は「ジョン・ウィック」や「アトミック・ブロンド」などを手掛けたデヴィッド・リーチ、出演はブラッド・ピットジョーイ・キングアーロン・テイラー=ジョンソン、ブライアン・タイリー・ヘンリーなどなど。

以下、あらすじ。(参照 Filmarks

世界⼀運の悪い殺し屋レディバグが請けたミッション、それは東京発の超⾼速列⾞でブリーフケースを盗み、次の駅で降りること。簡単な仕事のはずが、次から次へと乗ってくる⾝に覚えのない殺し屋たちに命を狙われ、降りたくても、降りられない。最悪な状況の中、列⾞はレディバグと殺し屋たち、10⼈を乗せたまま終着点・京都に向かうが…乗り合わせたはずの10⼈は、偶然ではなく、仕組まれた罠だった。やがて明らかになっていく、殺し屋たちの過去と因縁。そして終着点で待ち受ける世界最⼤の犯罪組織のボス=ホワイト・デスと対峙したとき、思いもよらぬ衝撃の展開が待ち受ける!

www.sonypictures.jp

感想ですが、エンタメとしては素直に楽しめました。画面の前にしっかり座ってストーリーをしっかり追いかけるとかいうタイプの部類ではなく、派手なアクション、奇想天外な展開にワーワー言う感じの雰囲気かなと思います。温かい飲み物を飲みながら静かに観るというよりか、ジャンキーなスナック菓子を食べながら糖類満載の炭酸飲料をお供に楽しむという映画。そんな気がしました。

ただし、おそらく原作を読んでいないので、そういった感想になるんでしょうが、もし「マリアビートル」を読んでいたら、きっと本作品もマイルールに従い、観ていないのではないかとも思います。その理由はいくつかあります。

日本っぽさが全然出てこない。

え、これ新幹線なの?というところから始まり、日本人の役者さんはほとんどいません。ハリウッド映画なので仕方ないのでしょうが、出てくるのはやっぱり真田広之さん、マシオカさん、福原かれんさん。せめて「木村雄一」役は日本の役者さんでも良かったのではないかと思いました。それ以外にも、駅の構内の感じとか、ヤクザの家の佇まいとか、全編ハリウッドで撮影されたらしいと聞きましたが、「でしょうね」という雰囲気を強く感じました。

バイオレンスの描写はやたらリアル

ブリーフケースを巡って同じ新幹線に乗り合わせた殺し屋たちがやり合うというハチャメチャなストーリーなので仕方ないのだけど、毒を飲んだ人たちの目や鼻から血が流れだしたり、ミカンという殺し屋がやられた際に首から血が噴き出したり、後は銃で撃たれる際の描写とか。どうせならこういうシーンもエンタメ感を前面にして欲しかった気がします。子供たちがいるリビングやダイニングではとても見れません。

ストーリーに裏切られる感がない

伊坂幸太郎の作品といえば色々な伏線があって、最後にそれが見事に回収されていくという展開を期待していたのですが「あれ?これってもしかして」というのが「やっぱり」となり、プリンスという殺し屋の最後なんかは「あ、たぶん」と予想のつくものでした。

だいたいの映画は「時間の無駄だった」と思いたくないので良いところを探して自己肯定するのですが、まぁ伊坂幸太郎さんの作品だから、少し辛口にもなってしまいます。なので普段とは違う意味で、小説を読んで答え合わせをしたくなってしまいました。とはいえ、伊坂作品がついに海を渡ったということだけは素晴らしい。

ありがとうございました。