2018年に公開された作品。監督はピーター・ファレリー。主演はヴィゴ・モーテンセン。第91回アカデミー賞で、作品賞・助演男優賞など三部門を受賞した映画です。今回も、もちろんアマプラで鑑賞させてもらいました。
以下、あらすじ。(参照 Filmarks)
時は1962年。ニューヨークのナイトクラブで用心棒を務めるトニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)は腕っぷしはもちろんハッタリも得意で、ガサツで無学だが、家族や周囲から愛されていた。 ある日、トニーは「神の域の技巧」を持ち、ケネディ大統領のためにホワイトハウスで演奏したこともある天才ピアニスト、ドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)のコンサートツアーの運転手として雇われる。まだまだ人種差別が根強く残る時代になぜか、黒人にとって制約と危険の多い南部を目指すシャーリー。 粗野で無教養なイタリア系用心棒と、インテリな天才黒人ピアニストという何もかも正反対な二人が、黒人用旅行ガイド〈グリーンブック〉を頼りに、ふたりはツアーへ旅立った。
まず、控えめに言っても最高な映画でした。おかげさまというべきか、俺はこれまで差別というものは特に意識せずに生きてきましたが、この作品の軸になるものは人種差別。1960年代の話とはいえ、ゴリゴリの黒人差別が描かれています。「ピアノの演奏が終わったらただのクロとして扱われる」というセリフは、少し胸が苦しくなるほどでした。それでも、ヴィゴ・モーテンセンが演じるトニーとマハーシャラ・アリが演じるドン・シャーリーの掛け合いが上手くそれを中和している感じがして、そこまで嫌な感じはしませんでした。
その掛け合いの部分ですが、トニーは最初「おっ」と思わせるくらい平気で差別用語を口にします。それに対し、シャーリーは、その都度、口酸っぱく彼の行動や言動をなおすよう注意します。まるで先生と生徒、親と子のように。最初は反発して聞く耳を持たないトニーですが、その掛け合いが、旅をしているなかで少しずつ変化していきます。同じように黒人を差別していたトニーが、旅の先々でシャーリーが差別されているのを見て、今度は差別をする人たちに腹を立て、最後にはシャーリーの相棒に、という具合に。同じように、心を閉ざしていたシャーリーも、だんだんとトニーに心を開いていくのですが、二人の友情がだんだんと深まる様子とともに、こちらも一気に作品に引き込まれていきます。ラストシーンで見せるシャーリーの笑顔も素敵すぎました。
またこの映画、個人的にはトニーの食べっぷりが見どころかと思います。運転しながらケンタッキーフライドチキンを素手で頬張り、もしかして?と思っていたら、やっぱり残った骨は窓から…。ピザを食べるシーンでは、ベッドに寝転がりながら丸々1枚をそのままかじる。。。とにかく豪快!主演のヴィゴ・モーテンセン、実は見終わってから気づいたのですが、それもそのはず。ロードオブザリングのアラゴルンの面影がないくらいのお腹まわり。この辺の役作りもハリウッドだなと感心してしまいました。
俺の文才がないのでこの思いを綺麗に書けなくてもどかしいですが、とにかく良かった。冒頭で人種差別が描かれている映画と述べましたが、それでも本作品は真正面から「個人差別をやめろ!」と訴える映画ではなく、どちらかといえば自然と差別をやめようという気持ちになるストーリー。言葉悪く言えば、クソほど心温まる映画でした。
ありがとうございました。
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