暁降ちのころ

暁降ち(あかつきくたち)と読みます。40歳から始めた日常の整理、備忘録などを思うままに好き勝手書いています。

鑑了 花束みたいな恋をした

先週末の三連休中にアマプラで鑑賞。2021年1月29日に公開された映画。 監督は土井裕泰さん。菅田将暉さんと有村架純さんのダブル主演で、坂元裕二さん脚本のオリジナル映画。「はな恋」として大ヒットしたらしいことを、今更ながら知りました。

hana-koi.jp

以下、公式HPから引用したあらすじ。

東京・京王線明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った 山音麦 (菅田将暉)と 八谷絹 (有村架純)。好きな音楽や映画が嘘みたいに一緒で、あっという間に恋に落ちた麦と絹は、大学を卒業してフリーターをしながら同棲を始める。近所にお気に入りのパン屋を見つけて、拾った猫に二人で名前をつけて、渋谷パルコが閉店しても、スマスマが最終回を迎えても、日々の現状維持を目標に二人は就職活動を続けるが…。まばゆいほどの煌めきと、胸を締め付ける切なさに包まれた〈恋する月日のすべて〉を、唯一無二の言葉で紡ぐ忘れられない5年間。最高峰のスタッフとキャストが贈る、不滅のラブストーリー誕生!──これはきっと、私たちの物語。

youtu.be

 

まず、見終わった感想としてひとこと。

良かったっすー!

菅田将暉さんがますます好きになりましたし、オダギリジョーさんが格好良い。そして基本的には二人を中心にストーリーが進むので、登場人物を覚えるのが苦手な俺でも全然気楽に鑑賞できました。

二人が過ごしていくのが大学生から社会人になるまでの5年間なんですが、学生時代のあのモラトリアム期間の描写といい、社会人になってから段々と価値観が変わっていく描写といい、自分自身を振り返ってもどこか懐かしさを感じますし、『分かるなー』の連続。菅田将暉さん演じる麦が営業マンになり社会人としての安定志向が顕在化してくのも分かりますし、有村架純さん演じる絹がお金じゃなくやりたいことを生かした仕事に転職してくとこも分かります。

全然後悔はしていないんですが、自分自身が給料のためだったり世間体だったり、周りの就職に流されたりで、特に志望してなかった会社に新卒で入社し、気づけば段々と馴染んでいってしまい、本当にやりたいと思ってたことに対する気持ちが、段々と小さくなってきてることに気づいたときのあの空虚な感じ。もうこの頃には二度と戻れないんだという儚さ。見てて自分自身のハートをガシガシされた気分でした。

もしも過去どこかの時点に戻ってやり直せるのなら?そんな叶うこともない妄想をたまにすることがあります。朝から日が暮れるまで、真っ黒になるまで遊ぶことが許されてた小学生時代の夏休み。背伸びして大人になった気分で行動範囲が広がってくことに新鮮味を覚えた中学生。遊びに恋愛に勢いしかなかった高校生。色々あるんですが、俺は大学生時代に戻りたい。そして、どんなに苦労しても良いから大きい都市で下宿生活をしてみたかったです。そうすれば「お金はないけど、時間ならたっぷりある」という期間をより楽しめた気がします。

個人的に一番好きなところは、麦と絹が出会ってから付き合うまでのシーン。終電に乗り遅れたあとの居酒屋や、ファミレスでドリンクバーだけ頼んで好きな映画や音楽、作家を語り合うシーン。気になる相手と共通のものが見つかるたびに親近感がわくところは、共感すると同時に懐かしくもありました。

どこかのレビューで見たけど、本作品は、物語と自身の恋愛観を重ね合わせながら感想を語りたくなる、いわゆる「自分語り映画」らしい。そういう意味では見事にその意図に俺はハマってしまった訳です。

最後にもう一度言います。良い映画でした。

ありがとうございました。