暁降ちのころ

暁降ち(あかつきくたち)と読みます。40歳から始めた日常の整理、備忘録などを思うままに好き勝手書いています。

言葉のミサイル。発射するともう取り返しがつかない

先週のこと、ミサイルが飛んできた。

 

ミサイルと言うのは、言葉のミサイル。要は部下からの不平不満のぶちまけ先になってしまったということ。発端は部下の在宅勤務希望について。

まず特定されない範囲で背景を述べると、その部下はしばらくの間、人事異動後の業務内容の変化によりメンタルヘルス不調を発症し、約半年の間、仕事を休んでいた。今年度に入ってから徐々に仕事にも復帰できるようになり、現在は産業医の指示のもと、就業制限をかけながら週3日、半日程度の出勤で身体を慣らしてもらっている。要するに元の勤務体制に戻れるようになるため、会社が復帰プログラムを組んでいる訳だ。そんな部下から先週、マネージャーの俺に対して送られてきたメール。

 

「身体がしんどいので、週に何度か在宅勤務させてもらえませんか?」

 

そこで俺は「え?」と思ってしまった。

  1. 会社として在宅勤務は完全不可ではないが、その頻度での在宅勤務はOK出せないし、この子の状況を最大限加味しても、安易に特例は作れない。
  2. 今は会社に出勤して身体を慣らすことが、復帰プログラムの最優先課題だから「しんどい」を理由にプログラムを内容を医者でもない俺が変更できない。
  3. 在宅であろうと出勤であろうと、仕事をするのがしんどいのなら、まず療養を優先して欲しい。
  4. ただし、他の社員同様、月に1~2度程度の自己研修を設定して在宅勤務をするのであれば、承認はできる。

やんわりと理由を伝えて、その申出に対する承認は難しいことを回答すると、それが本人の着火点となったらしい。

  • 通常出勤できるようになってからの在宅勤務では意味が無い。在宅を織り交ぜることで復帰に近づけるという理由から希望している。
  • 制度として使える権利がある在宅勤務を挟み、身体への負担を減らしながら復帰を目指したいと考えているのに、なぜ認めてくれないのか。
  • 身体を徐々に慣らす環境が欲しいという切実な希望なので、特例を認めて欲しい。
  • 会社の急な人事でこのような状況に追い込まれた身としては、復帰プログラムで最善の措置をとっていると言ってくれているにも関わらず、在宅勤務が許可されないのは理不尽だ。
  • 給料が激減して生活も苦しい。出勤するたびに会社のおかしい風潮や人との接触でエネルギーを消費して体調を崩す。在宅勤務ならそれが無い。
  • 必要なら主治医から在宅勤務をさせるようにという一筆を書いてもらう。
  • 許可されないのなら、トップに直談判してもいい。

かなり要約しているが、それはそれは、とても部下から上司に対する内容とは思えないような文面。メンタルにまだ不安を抱えている状況という点から、俺もがっぷり四つには組まないけど、普通で考えれば組織に属する会社員としてアウトだろう。

”会社の急な人事で追い込まれた”って言われても、配置という裁量が会社にある以上、誰が見ても不合理なものでない限りは仕方ないし、”給料が激減して”と言われても、ノーワークノーペイの原則。状況は理解するが、だからといって今は出勤すること以外に何もミッションを与えていない者に『カラ出勤』を認めるという訳にはいかない。

 

結局は、俺にも最終権限がある訳ではないので、俺の上長に状況報告し、第三者を間に挟むことで解決することとなった。(本人に伝える内容の原稿を作り、第三者から再度同じ説明をしてもらうと、スッと軟化したそう)

この件、おそらくはそういう正常な判断ができないという点。そして上司に対して言っていいこととダメなことの分別が付かないという点でも、まだまだ療養中なのだろう。。。ということで俺自身の気持ちは整理したが、本心としては解せない。極めて解せない。俺は言われっぱなしなのかよ。

一応、後日に本人から謝罪のメールは来たので大人な対応はしたが、俺が今後この部下を評価するとき、どうやっても心のどこかにはこの件が引っ掛かってしまう気がする。だって、この部下もしんどかったのだろうけど、その捌け口にされた俺だってしんどかったのだから。

 

仮に、今後の仕事でこれを糧にするとすれば、教訓は以下。

 

一度相手に吐いた言葉は、もう無かったことにできない

 

言わぬは言うに勝る。雄弁は銀、沈黙は金、とはまさに。