暁降ちのころ

暁降ち(あかつきくたち)と読みます。40歳から始めた日常の整理、備忘録などを思うままに好き勝手書いています。

仕事を早くこなすことの重要性

これは、とある部下の仕事ぶりを指導したときの話です。

社員の労務管理をしているなかで、毎月、月初に決まって遅くまで残業をしている社員がいることに気付きました。新卒で入社し、良いキャラクターなんですが、仕事は傍から見てても不器用でもどかしい彼。直接の部下なら細かく指導もできるのですが、何か月締めの仕事でもしているのだろうと最初は様子を見ていました。しかし数か月経っても状況はまったく変わりません。そのため、やはりこちらも労務管理担当部署の仕事として、彼が実際に何の仕事で遅くなってしまっているのか、確認してみることにしました。

そうすると、やはり予想どおり月締めの仕事に時間がかかっているとのこと。毎日少しずつ発生する案件を、月でまとめて報告するという仕事があったのですが、どうやらそれをいつも月初にしている様子。本人も「月初は仕方ないんです」とケロッとしており、おそらく改善することなど毛頭考えてない様子でした。実は私も以前はその部署にいて、彼が今している仕事と同じ仕事をしていたので『その仕事はそんなに時間かからないんじゃない?』と思っている節がありました。なのでそれを暗に伝えながら「1か月分をまとめて処理するのではなく、もう少し細かい期間でまとめてもいいのでは?毎日するのも方法のひとつだ」と伝えたところ、彼の回答からこちらが予想していなかった考えで仕事をしていることが分かりました。

「5分かかる仕事を毎日するのと、1か月にまとめて100分するのと、かかる時間は同じじゃないですか?」

そう返されて『なるほど、そういうロジックなのか』と呆れるよりも前に感心した記憶があります。しかも、むしろ一度にまとめてする方が、効率的にできると考えている雰囲気すらありました。確かに、毎日の5分の残業を20日するのと、1日で100分の残業をするのと、計算上は間違いありません。こう返されたとき、皆さんはどう答えられますか?

正解だったのかどうかは分かりませんが、そのとき、私はこう答えました。

「毎日の隙間時間を見つけなさい」
「100分は作れないけど、5分なら作れるはずだよ」

時間の価値って、年齢とともに変わってくるものだと思うんですね。若いときはおそらくまだまだ先があるからか、多少効率やタイパが悪くてもノリと勢いでなんとかなってしまうのは分かります。けどその一瞬、今このときでも、過ぎたものは二度と戻ってこないですからね。なので『時間』というのが大事なのだということに、早く気付いて欲しいんです。そして、その時間を自分で作る方法を覚えて欲しい。

あくまでも私見ですが、昨年より今年、先月より今月、先週より今週。そして昨日より今日、前回より今回と、少しでも早くこなしたり、付加価値を付けたり、質を上げたり、プラスαにしていくことが大事なのではないかなと俺は考えています。(もちろん、一方で職人のようにいついかなる状況でも同じことをするのも大事な場面はあります)正確な表現ではないと思いますが、この手の話をするときに併せて伝えるのが次のこと。

「言われたことだけを言われたとおりにするのは作業だよ。君には作業じゃなく仕事をして欲しいんだ」

今日、忙しそうに走り回ってる彼をみてふと思い出しました。頑張れZ世代!