暁降ちのころ

暁降ち(あかつきくたち)と読みます。40歳から始めた日常の整理、備忘録などを思うままに好き勝手書いています。

鑑了 バグダッド・カフェ

これもアマプラで視聴。1987年の西ドイツ映画だそう。レビューは高かったんですが、評価は両極端。普段ならじっくりと落ち着いて映画を観るというより、ドーンとかバーンとかそんな派手なシーンを流し見するタイプな俺ですが、まぁ時間もあるしということで選択。

 

先に結果から書いてしまうと、これが36年前の作品であるということを考慮しても、抜群に面白かったです。日本では1989年に東京都のミニシアター「シネマライズ」でで初公開され、同館では数か月にわたりロングランヒットし、当時の日本国内におけるミニシアターブームを代表する一作となった。(そうです。)

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以下、Wikipediaから参照したあらすじ。

モハーヴェ砂漠を貫く幹線道路。ドイツから旅行に来た夫婦がラスベガスを目指す中、レンタカーの中で喧嘩を始め、妻・ジャスミンは車を降り、自分の荷物を持って飛び出してしまう。

ジャスミンが重いトランクを引きずって歩き続けた先には、砂漠の中に孤立したように存在する、さびれたダイナー兼ガソリンスタンド兼モーテル「バグダッド・カフェ」があった。その店ではちょうど、女主人・ブレンダが、仕事をしない夫を怒鳴り散らし、追い出したところだった。モーテルの部屋を借りたジャスミンは、部屋の壁に飾られた、2つの太陽が輝く空を描いた風景画に魅了される。われに返り、着替えようとトランクを開けるが、そこに入っていたのは夫の着替えや生活用品だった。持ってきたのは自分のトランクだったが、荷物を詰め間違えていたのだった。部屋の掃除に入ったブレンダは、男ものの服やひげ剃りなどが部屋に広げられているのを見て不審を抱く。

暇をもてあましたジャスミンは、勝手に店の大掃除をしたり、赤ん坊をあやしたりするうち、バグダッド・カフェの店員のようにふるまうようになり、少しずつブレンダの警戒を解いていきつつ、カフェに集う人々とも打ち解けていく。また、夫の荷物の中に入っていた手品練習セットで遊ぶうち、手品の腕前が上達し、カフェの客に披露すると、評判が評判を呼んで、かつて閑古鳥が鳴いていた店は、マジックショーを上演するダイナーとして大繁盛となる…。(以下、割愛)

簡単に言うと、砂漠の真ん中にある寂れたカフェに、変なオバさんがやってきて、いつのまにかマジシャンになって、みんながちょっとだけ幸せになる話。

時間はほんとにゆっくりと流れてる感じがしました。スピーディーな展開だったり伏線回収が好きな人には合わないのかもしれませんが、今の俺にはマッチしていました。見る人によっては、『超退屈』な映画。けど全体的な埃っぽさや風景、音楽含め、この空気感や雰囲気が好きな人にとっては『名作』になるのも良くわかります。ただし、誰かのブログで見たんですが、この「バグダッド・カフェ」は ”おしゃれな人が「この映画好きなんだよね~」という風に「映画のこと分かってますよ」的に使いやすい作品の代名詞” になっているそうで、それは俺も気をつけないと思いました。(なお、この映画と似ている「スモーク」という作品も気になる。)

あとこの映画で絶対に触れないといけないのが音楽。特にジュベッタ・スティールの「コーリング・ユー」は見終わってからも何度も頭のなかでリピートされます。それ以外の音楽も、きっと疲れたときに聴くと心地よい雰囲気になれそう。

具体に何がいいのか、どこがいいのかと言われると説明するのは難しいですが、細かい演出、ユーモア、美しい色合いの映像と音楽。弱ったメンタルが少しずつ癒されていくようなストーリー。ほんのちょっとのことで、イライラが続く毎日が違って見えてくるという「ちょっとした幸せ」を教えてくれる映画。これもネットのコメントの受け売りだけど、まさに言い得て妙。

ありがとうございました。