暁降ちのころ

暁降ち(あかつきくたち)と読みます。40歳から始めた日常の整理、備忘録などを思うままに好き勝手書いています。

読了 サピエンス全史(下)

著者 ユヴァル・ノア・ハラリ

文明はなぜ爆発的な進歩を遂げ、近代ヨーロッパは世界の覇権を握ったのか?その答えは「帝国、科学、資本」の相互に密接につながったシステムである。帝国に支援された科学技術の発展にともなって、「未来は現在より豊かになる」という将来への信頼が生まれ、拡大する資本主義の魔法がもたらされた。文明は人類を幸福にしたのか、私たちはどのような存在なのか。記念的名著!


~~~~~以下、感想。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

上巻を読み始めたのが今年の1月6日で読み終えたのが2月10日。下巻を読み始めたのが2月11日で、読み終えたのが3月10日。上下巻とも、それぞれを読み終えるのに1か月ずつもかかってしまった本作品。途中で頭がパンパンになりながらも、自分のなかで少しずつ咀嚼しながら、なんとか読み終えました。

 

上巻で述べられていた認知革命、農業革命。そして人類の統一の続きから始まる下巻。内容は、ほとんどが科学革命についてとなっていました。人間が史上空前の発展を遂げたのは、西暦1500年頃から始まった科学革命で、それからわずか500年で、人口は14倍、生産量は240倍、エネルギー消費量は115倍に増えたとのこと。

科学革命で自分たちは無知だと気づいた人類は、世界を探求し始め、科学に投資して力を手に入れられると信じるようになります。そのあたりのことが、クック船長を含め大航海時代のことから説明されていて、このあたりはまだ読みやすかったです。

そして、資本主義が科学と帝国の躍進をさらに支えたと続き、信用(クレジット)というお金の誕生。そしてアダムスミスの『国富論』。さらに、200年程前に蒸気機関を発明して起こった産業革命。それにより飛躍的に伸びた生産量を支えるのが、「欲望の満足はすばらしいもの」とする消費主義。『人類の経済発展は、資本主義と消費主義が表裏一体となって続けている』と述べられています。

最後は著者からの問題提起となるのですが、それが次のこと。

認知革命によって大きな発展を遂げ、
地球上に君臨した人類は
「それで幸せになったのか?」

なんとなくですが、人類学とか歴史学とかが得意じゃなければ難しい内容なのかもしれません。それでも、とにかく最初の上巻の盛り上がりが凄まじくて、そこだけでも一度読んで欲しいと思える作品だった気がします。

ありがとうございました。