暁降ちのころ

暁降ち(あかつきくたち)と読みます。40歳から始めた日常の整理、備忘録などを思うままに好き勝手書いています。

鑑了 きみの鳥はうたえる

アマプラのおすすめに促されるがままに鑑賞した作品。おそらくは、染谷将太さん繋がりで表示されていたのではないかと思うが、レビューも良かったので、疑うことなく休日の午前中に家事をしながらの再生。

監督は三宅唱さん。出演は柄本佑さん、染谷将太さん、石橋静河さん他。2018年9月に上映された106分の映画でした。

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以下、あらすじ。(参照 Filmarks

函館郊外の書店で働く「僕」(柄本佑)は、失業中の静雄(染谷将太)と小さなアパートで共同生活を送っていた。ある日、「僕」は同じ書店で働く佐知子(石橋静河)とふとしたきっかけで関係をもつ。彼女は店長の島田(萩原聖人)とも抜き差しならない関係にあるようだが、その日から、毎晩のようにアパートへ遊びに来るようになる。こうして、「僕」、佐知子、静雄の気ままな生活が始まった。夏の間、3人は、毎晩のように酒を飲み、クラブへ出かけ、ビリヤードをする。佐知子と恋人同士のようにふるまいながら、お互いを束縛せず、静雄とふたりで出かけることを勧める「僕」。そんなひと夏が終わろうとしている頃、みんなでキャンプに行くことを提案する静雄。しかし「僕」は、その誘いを断り、キャンプには静雄と佐知子のふたりで行くことになる。次第に気持ちが近づく静雄と佐知子。函館でじっと暑さに耐える「僕」。3人の幸福な日々も終わりの気配を見せていた・・・・・・。

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都会過ぎず、かといって田舎過ぎず、舞台として設定された街がいいところだなと思いながら見ていたが、それが函館だということは鑑賞してから気づいた。北海道、一度は住んでみたい場所だ。

佐知子役を演じる石橋静河さんは、この作品で初めて見たのだが非常に好印象。お酒の飲み方を含めた空気感。ふとしたときの表情。どれも自然で見ていて違和感がまったくない。他の作品も追いかけたくなってしまった。

あと作品としては夜の描写が多めなのだが、それが俺のなかではなかなかのお気に入りポイント。自分自身、大学を卒業して就職してからの記憶はあまりないが、学生時代の記憶ってほとんどが夜の出来事。毎日のように朝まで安酒飲んだくれたり、オールでのカラオケ。なぜか急に始まる深夜のボウリング大会…。まぁ俺の過去はさておき、若いとき独特の退廃的な日常、そこにいて当たり前の友達たち、微妙な男女関係…。そういったところがこの作品でも絶妙に表現されていて、エモーショナルな感情が引き起こされる。

それともう一度見たいのはクラブのシーン。お酒を飲んだほろ酔い気分で、ノリの良い音楽に合わせて身体を動かす。なんてストレス発散する手段として正義なんだろう。観ているだけでそうなんだから、実際に今でも嫌なこと全部忘れてすっきりできそう。

全体的には、ゆるく始まりゆるく終わる。もうひとまわり若い世代の恋愛映画であるような「好き」を直接伝える甘酸っぱい展開はほとんど無い。お互いに好意をわざわざ伝え合うのじゃなく、なんとなく気が合えば一緒にいるし、そうじゃなくなれば徐々に距離を取っていくと言うような感じ。だけどそれが、恋愛は自然な感じでいいよねって思わせてくれる。とにかく全体的に力まず観れる。俺が好きなジャンルの映画。

ありがとうございました。