暁降ちのころ

暁降ち(あかつきくたち)と読みます。40歳から始めた日常の整理、備忘録などを思うままに好き勝手書いています。

鑑了 ちょっと思い出しただけ

アマプラのおすすめにはかなり以前からあがってきてたが、なかなか手を出せずにいた本作品。今回、他の洋画を見る気分にはなれず、言葉は良くないのだが消去法的にたどり着いた。週末の夜に鑑賞。

監督は松居大悟さん。出演は池松壮亮さん、伊藤沙莉さん他。2022年に上映された115分の作品でした。

choiomo.com

以下、あらすじ。(参照 Filmarks) 

2021年7月26日、この日34回目の誕生日を迎えた佐伯照生(池松壮亮)は、朝起きていつものようにサボテンに水をあげ、ラジオから流れる音楽に合わせて体を動かす。ステージ照明の仕事をしている彼は、誕生日の今日もダンサーに照明を当てている。一方、タクシー運転手の葉(伊藤沙莉)は、ミュージシャンの男を乗せてコロナ禍の東京の夜の街を走っていた。目的地へ向かう途中でトイレに行きたいという男を降ろし、自身もタクシーを降りると、どこからか聴こえてくる足音に吸い込まれるように歩いて行く葉。すると彼女の視線の先にはステージで踊る照生の姿があった。  時は遡り、2020年7月26日。照生は部屋でリモート会議をし、葉は飛沫シートを付けたタクシーをマスク姿で運転している。照生は誕生日の夜に誰もいない部屋で静かに眠りにつく。また一年遡り、誕生日を迎えた照生は、昼間は散髪屋で伸びた髪を切り、夜はライブハウスでの仕事を終えたあとに行きつけのバーで常連のフミオ(成田凌)とダンス仲間の泉美(河合優実)と飲んでいた。同じ頃、居酒屋で合コンをしていた葉は、煙草を吸いに店の外に出たところで見知らぬ男から声をかけられ、話の流れでLINEを交換することに。葉のアイコンを見た男が「あれ、猫飼ってるんですか?」と尋ねると、葉は「いや…今は飼ってないけど」と返し、続けて「向こうが引き取ったから」と切ない表情でポツリと呟く。彼女がLINEのアイコンにしていた猫は、いまも照生が飼っているモンジャだった…。

youtu.be

池松壮亮さんが演じる佐伯照生の2021年から2015年までの誕生日が遡って描かれているのだが、何の予備知識もなく鑑賞したため、映画のタイトルである「ちょっと思い出しただけ」という意味が最後の方まで分からなかった。この辺りは、ある程度の下調べをしてから見る派か、まったくゼロの知識で見る派かの違いなのかもしれない。俺は別に意図してる訳ではないけど、後者。ただし、これから見る人は、ぜひ『ある1日だけで遡る』というキーワードだけ頭に置いて観て欲しい。

ストーリーとしては、劇的に何か心に刺さったり、出ている役者さんが特別に俺好みだったりする訳ではないのだけど、逆に言うとそれが良い。まさに”なんでもない”を切り取った雰囲気の作品。しかし個人的には結婚でもなく6年も付き合うというのは想像ができない。おそらく、一緒に行った場所。一緒に食べたご飯。一緒に見た映画。一緒に聞いた映画。一緒に経験した時間。そう考えると全然なんでもなくない。俺だったら相当引きずりそうだ。そういう人それぞれの余韻というものを、この映画は感じさせてくれる。

見てて涙する訳でもないんだけど、コロナ禍のあの息苦しかったときの描写しかり、夜の水族館デートの描写しかり、ほろ酔いで意気投合する描写しかり、なんか良かった。特に水族館。舞台が東京だから、普段は山のように人がいてるんだろうけど、そんななかで二人っきりになれるシチュエーション。控えめにいってもめちゃくちゃエモい。一度見ただけで魂がグラグラと揺さぶられるような恋愛映画も良いけど、どちらかといえばこういう噛みしめる系の恋愛映画の方が俺には合ってる気がする。なんとなく違う人にも見てもらって感想聞いてみたい。

ありがとうございました。

 

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